パービン家系図のサイトで一寸、スリリングな経験をしたので、聞いてください。

ぼくの妻、ハイでは俗に言う「マムシ指」持っております。左右の親指なんですが、第一間接の幅が広く、短く、反り上がって、一見、奇形に見えます。

明学卒業の同期生では桑原達雄がこの親指を持っておりましたが、珍しく、日本でもアメリカでもあまり見られません。

ぼくの管理するパービン家系は今、世界に9家族あるんですが、そのうちルーツを等しくするグループが大きく分けて三っつあります。

A) 一つはモスコーに移住したパービンとアメリカのピッツバーグに移民したパービン家で、残された日記とかイミグレーションの記録で、第一代目が兄弟だった事が証明されました。

B) 二つ目は、カナダにあるパービン家で、トロントにあるパービンとモントレオールにあるパービン家でこれも第一代目が兄弟、だった事が分かっております。

C) 三っつめが妻ハイデの先祖に当たるオハイオに移民してきたパービンとデトロイトに定住したポービン家でこれも一代目が兄弟の仲です。

さて今問題になっているのは、果たしてこの A) B) C) 三つパービンがそのルーツを共有するかどうかと言う問題です。少々、推理小説を連想するようで気が引けるのですが、この二、三年いろいろ古い記録をあせって資料を収集しているところですが、未だ決め手がありません。

今年の初めのことですが、モスクワのパービン家におめでたがあり、男の子が生まれました。そのこのおじいさんと言う人が、ロシアでは少し知られた教育家のパービン博士です。ぼくらと同じ年なのですが、ぼくのサイト用にとその新生児の写真を送ってくれました。その写真がなんとおじいちゃんの手のひらに赤ちゃんの手を重ねるという、ちょっと芸術作品にしたいような写真でした。その赤ちゃんの手を見てぼくは思わず「あっと」叫び声をあげて、まわりのものを驚かせました。親指が「まむし指」なんです。

ぼくはさっそくパービン博士にメールを出して、ぼくの妻の親指の事を説明したのです。彼から早速返事がありましてね。「貴兄の手紙をくすくす笑いながら読ませてもらいました」のメールと同時に写真が送られてきました。彼自身の親指の写真なんですよね。妻に見せると、一見して、「あら、あたしのおじいちゃんや叔父様達の親指にそっくり!」と言うんですよ。ぼくに言わせると彼女の親指にそっくりなんですがね。

ぼくは遺伝学のことは未だ良く調べた事がないんですが。一寸、面白い話でしょう? もちろん、これでモスクワのパービンとオハイオのパービンは同系だとはいえませんが、偶然と言う事もありますからね、でも、「事実はフィっくションより奇なり」の例えもありますからね。どんなモンでしょう。話にはなりますが、事実を証明するにはやっぱり、小細工がかっていますかね。

念のため写真を添付します。妻は嫌がって写真を取らせて呉れませんので、昔彼女が自分の親指をデッサンしたのを送ります。

山口